2023年9月26日火曜日

人権フェスティバル

9月24日、浜坂小PTA人権部主催「人権フェスティバル」が4年ぶりに開催されました。講師としてお招きしたのは、浜坂在住、馬術競技でパリパラリンピック出場を目指しておられる大川順一郎さんです。演題は「ピンチをチャンスへ!夢の実現に向かって生きる~パラ馬術競技へのチャレンジを通して~」です。



 大川さんは、大学時代から馬術競技を始められ、1985年(S60)の鳥取国体(わかとり国体)など多くの馬術競技の大会に出場された選手です。

 小学校の教員になられ、学校でポニーを飼うなどユニークな実践をされることから「ポニー先生」の愛称で呼ばれていました。

 ところが、2012年(H25)に肝臓がんと診断され、このままでは余命3カ月と診断され、一度は絶望の淵に立たされます。しかし、ご家族からの生体肝移植を受けられ、一命を取り留められました。再び教壇に立たれたのですが、しばらくすると今度は立ち座りができなくなり、診断を受けると難病である「封入体筋炎」という病気が判明します。封入体筋炎とは、筋肉の難病で、筋肉の力が徐々になくなり、最後は寝たきりになる可能性が高い病気です。大川さんはこれで2度の「人生の大ピンチ」を体験されたことになります。

 そんな時にある方から「パラ馬術をしてみないか?」と声をかけられます。これをきっかけに大川さんは「パラリンピックに出場する」という夢をもたれたそうです。

 しかし、筋肉の難病で体に力が入らず、そもそも馬への乗り降りも難しく、なかなか結果が出ない日々が続いたそうです。そんな時でも夢をあきらめず努力を続けられ、ついに2020年(R2)11月に全日本大会で初優勝されました。

 大川さんの次なる目標は国際大会で結果を残すことです。パラリンピックに出場するには、国内の大会だけでなく、国際大会で結果を出す必要があります。これには多くの費用が必要なのですが、クラウドファンディングなども活用してドイツでのトレーニングなども重ね、今年8月に行われたデンマークの国際大会で初優勝されました。この時にパートナーとなった馬はジョーカーという大きな馬だったそうです。自分がいつも練習している馬ではなく、海外で借りた馬に乗る難しさもありながらの優勝でした。

 大川さんは講演の最後に「運命を受け入れ、自分が生きている証として未来に向かってがんばりたい。」ということを話されました。参加した多くの保護者の皆様は、本当に生きる勇気を与えてもらった気持ちになりました。講演してくださった大川さんありがとうございました。パリパラリンピックの出場を心よりお祈り申し上げます。